~軽度知的障害のおてんば娘の子育て記録~

「お子さんは親御さんとは違う世界が見えている」空間認識編(3/3)

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軽度知的障がい 位置関係 苦手

前2回の記事で、子供と大人の世界観の違いの話をしてきました。

1回目は「言葉と漢字」、2回目は「時間」についてでした。3回目の今回は「空間認識」の話をしますね。

「お子さんは親御さんとは違う世界が見えている」

と発達の先生の言葉が、ひしひしと実感できてきたというお話です。

このブログについて

このブログは、
軽度知的障がいを持つ高校生娘の記録です。

知的障がいと分かったのは3歳8か月の時。
田中ビネー:64
 wiskⅤ:70前半です
(療育手帳取得済み)

特別枠を利用し、公立高校に進学。
運動、おしゃべり好きな女子に成長しました。

目次

空間の把握

音と漢字の結びつきのイメージ、時間のイメージと同じく、空間も同じなんですね。
とにかく、形ないもののイメージが描けない

私たち親からすれば、「左後ろ」と言えば、左の後ろでしかないのですが、知的に弱い子にとってはかなり難しいものです。これもやっぱり物理的に物がないからですね。

左後ろがどこかを認識する、というのは

空間認識の力があり
対象のものの左の後ろがイメージできる

という2つの能力が必要になります。
空間も抽象的なものです。しかも、「左後ろ」は「自分の左の後ろ」とか、「相手の左の後ろ」、「自分でも相手でもない何かの後ろ」と中心点が色々あるため、これまた難易度が高くなるんですね。さらに、もし中心点が自分だった場合でも、自分が向きを変えると、その方向も違ってきます。

こちらも例を挙げますね。小学校高学年で、「サイコロを何回か転がしたら、上の面の数字はいくつですか」とか「変な形の立体にとある面から光を当てて映した陰から、立体はどれかをあてなさい」みたいな問題を解いたと思いますが、あれです。

知的に弱い子からすれば、「左後ろ」はあのめんどくさい、「うーん」と考えながら解かないといけないような難しい問題と同じような感覚なんですね。

子どもの意識の中では、親ほど空間がはっきりしていないということが分かってからは、「前に置いて」、「ちょっと下がって」、「なんで後ろに置かないの?」というあいまいなやりとりを減らすことで親が怒る頻度もだいぶ減りました。

ちょっと、すこし、前、後ろ…わからないことのオンパレードです。

子どもの発達関係の本を読んでいるときに、「社会は個人の認識のなかにある」という難しい話を見たことがありますが、たぶんその話と、発達の先生がアドバイスして下さった「お子さんは親御さんとは違う世界が見えている」というお話はつながっている話なのだろうと今であれば思えたりします。

でも、言われた当時はよくわからず、ただただ必死に子どもの成長を望み、試行錯誤してきて10年以上たって、ようやく理解できるようになってきた気がします。

私自身、もともと持っていない感覚を理解するのはとても大変で、自分の常識を覆すくらいの衝撃がありました。

まさか、こんなことがわからないとは。こういう風に感じてるとは。

もちろん、まだ「ええ??」と思うことは毎日起きるのですが、だいぶ耐性がついたように思います(笑)

親も、日々勉強ですね。

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