軽度知的障がいを持つ娘が外出する際にぶつかったハードルのお話の続きです。
前回2回分の記事で、娘が出かける際にどのようなことに困り感があるのか書いてきましたが、今回は3回目です。
今回は
3.待ち合わせ場所と時間を決める
4.予算を決める
についてです。
- 行き先を決める
- 行く手段を決める
- 待ち合わせ場所と時間を決める
- 予算を決める
- 帰宅時間を決める
この中で、実際、何に困り感があるのか、具体例を交えてまとめてみます。
このブログは、
軽度知的障がいを持つ高校生娘の記録です。
知的障がいと分かったのは3歳8か月の時。
田中ビネー:64 wiskⅤ:70前半です
(療育手帳取得済み)
特別枠を利用し、公立高校に進学。
運動、おしゃべり好きな女子に成長しました。
待ち合わせ場所と時間を決める
行き先と手段が決まったら、今度はお友達との待ち合わせですね。
- 目的地には何時につきたいのか
- どこで待ち合わせるのがみんなに都合がいいのか
- そこまでどのくらいの時間がかかるのか
こんなことを考えなくちゃなりません。ここでつまづくのが時計や時間の計算。
また別記事で書きますが、今まで周りの軽度知的障がいのお子さんを見てみても「時計&時間」に苦手さを持っている子がかなり多いです。
- お昼ご飯を食べるなら何時着が適切か
- みんなの家からの距離を考えての適度な待ち合わせ時間
- 路線検索等を使っての現地までの所要時間の把握
これができることが必要ですね。
簡単そうに見えても、時間感覚がないって本当に大変。お昼ご飯って大体何時ごろ?っていうのがわからなかったりします。
「大体」って言われても、その「大体」という言葉の意味がよく把握できてなかったり、そもそも何時ごろにお昼を食べているのか、時間を考えながら生活するという習慣がなく、わからない子もいます。
あっという間にできるはずのことに、本当に苦労します。「大体」って聞いてるのに、〇時〇〇分って答えようとして、え?毎日違うからわからない、と言われたこともあります。
予算を決める
多めにお金を渡しておいた時、考えなしにすべて使い尽くしてきたことがありました。
もうびっくりです
お金の感覚、何にどのくらい使うのが適切か、という事を把握するのもとても苦手です。
そもそも、例えば、ペットボトル1本、おにぎり1個…いくらなのかちゃんと把握できてないんですね。
なので、法外な値段で売られていたとしても分からない…それも買い物をしていれば身につくであろうことが、放っておいたら身につかないんです。
なので、会話の中で、○○って大体何円なの?じゃあ、この値段で買うのはOK?それともやめておいたほうがいい?と定価と実勢価格の値段の差をきちっと読み取れるように教えています。
500mlのペットボトルが300円とかで売られてたら高いし買いませんよね。それがわからずに買ってしまうのが数字の概念、一般的な値段を把握できていない怖いところです。
話を戻しますが、なので、一度すべてお金を使いつくしてきてしまった後は、何にいくら使うかきっちり話し合ってから出かけさせることにしました。
そして、お金も必ず多めに持たすことに。お金が余っていても、考えなしに使いつくさない練習のためです。
みんなで一緒に映画見て、お昼食べて、ゲームセンターでちょっとゲームする。
例えばこんなプランだったとして、
映画:1000円
お昼:700円まで
ゲーム:300円
こんな感じで予算を決めて、外で食べるお昼の金額って大体このくらい、やりたいからってゲームにそんなにお金を使ってはいけない、という事を教えています。
そしてこの場合は、ちょうど2000円になるので、2500円くらい渡して、今自分はいくら持っていて、持っているからと言って全部使ってきてはいけない、という練習ですね。
5年生くらいから友達とのお出かけが始まって、今では予算組みをして、「○○にいくら使うから、○○円ちょうだい」と言えるまでになりました。ただ、計算間違ってることも多々ありますが…
心配でも、何度も行かせることも大事ですね。実践でしかなかなか身につかないので。
今回の事例が、外出時のハードルの3つ目と4つ目です。
それでは、次回記事では外出時の困り感の5つ目「帰宅時間を決める」をお話ししますね。