知的障がいを持つお子さんの場合、割り算が苦手というケースがよくあります。
うちの娘もそうです。
娘の場合は、割り算が、というわけではなく数字全体に弱いのですが、苦手だったとしても、簡単な割り算くらいはできるようになっておかないと今後しんどい…そう思って一生懸命教えてきました。
・割り算がわかってなさそう
・何ができて何ができない?
・なんでできないの??
そんな疑問を持っている親御さんへ向けて。
まずは娘がどこでつまづいていたのかを、まとめてみました。
このブログは、
軽度知的障がいを持つ高校生娘の記録です。
知的障がいと分かったのは3歳8か月の時。
田中ビネー:64 wiskⅤ:70前半です
(療育手帳取得済み)
特別枠を利用し、公立高校に進学。
運動、おしゃべり好きな女子に成長しました。
割り算の教え方
具体物を使って「分ける」という事がどういうことかを一緒にやってみるのが、割り算を理解する一歩だと考えています。
- 1つのものを分ける(例えば1個のパンなどを半分に分ける)
- 複数のものを分ける(お菓子を配る)
など。
とにかく、この問題を抱えているお子さんに関しては
具体物で見せる
という事が何よりも効果的だと療育の先生からは散々教わりました。
とはいうものの、そもそも
では、なぜ割り算ができないのでしょう??
つまづいている理由を考えてみました。
できない理由&どこまでならできる?
割り算がわからない理由
娘の場合ですが、
数のイメージが描けないことが一番大きい理由
だと感じています。
もう本当に、この数の概念のわからなさ具合にはずーーっと苦労させられっぱなし。
数って、人によって違うと思いますが、漠然としたイメージ、ありますよね。
例えば一例ですが、
10という数があったら、5が真ん中。
数直線を書けば、5は中ほどにあります。
これが、娘はできないんです。
数の大きさを頭で描けないことと、さらに「真ん中」、という意味がはっきり理解できていないんですね。
1度、横線を1本書いて左端を0、右端を10とし、
5はどこにあるか書いてごらん?
とお子さんに聞いてみてください。
すらすら書ければ、そこまで苦労することはないのでは?と思います。
娘はこの数直線に、きちんと10までメモリを入れることも曖昧でできません。
もちろん、数は数えられます。
ですが、この感覚が身につかないことが、娘が数字を苦手にする一番大きな理由です。
そして、割り算ができないという事もこれにがっつりかかわってますね。
さらに、一緒にやっていく中で、「同じ数に分ける」という事が娘の中で非常に難しいという事がわかってきました。
同じ大きさに分ける、分けたもの同士は「同じ」大きさという事が把握できず、曖昧な中で合ってそうな数を操作しているに過ぎないのです。
割り算はどこまでできる?
さて、数字に関してのイメージがなかなか定着しない娘ですが、とはいえ、簡単なものなら割り算もできないことはありません。
娘は、九九の暗唱は2年生の段階でできるようになっていましたが、その意味やイメージを完全に頭に描けていたかと聞かれると。
「ただ意味も分からず暗記している」だけ。
なので逆に、機械的にかけ算を使って割り算を解くことは可能。
九九に出てくる範囲で解く割り算ならすぐできるようになりました。
例えば、
「8÷4は?」
と聞けば、
「4×2は8だから、8÷4は2」
と、正解を導き出すことができます。
けれど、九九を使わない割り算(九九に出てくる数以上)の場合は、簡単なものでも暗算は不可能。
「30÷2は?」
という、3×9という3の段の九九の一番大きい数を超えた問題がでた瞬間に
わかんない…(九九にないもん)
となります。
ここでいえば、30という大きさを頭で描いて、それを半分にするイメージができないからですね。
なので、結論でいうと
九九を使う範囲内ならそこまで苦労しません
そして、
九九を使って計算できる範囲であれば、、あまりが出る割り算も何とか可能。
例えば、
「16÷3は?」
と聞くと、
「3×5は15だから、15から16までは1。だから、15÷3は5…あまりは1」
と、正解を導き出すことができます。
ただ、
16の中に3は5個入る。で、まだ1余ってるからあまり1…
みたいなイメージは当然ながら描けないんですね。
※これを言うとむしろさらに混乱します。
なので、こちらも九九の範囲を超えるとお手上げ。
ただただ、機械的にやり方として割り算のテクニック(単なるやり方)を覚えるだけです。
それでもまず身に着ける
イメージは描けてないにしろ、簡単な割り算ができることは今後生活をしていくうえで欠かせないことです。
なんでできないんだろう‥と思いながら勉強に付き合っていましたが
・数のイメージが描けていない
・割る、分ける、という言葉のイメージが曖昧
・分ける(同じ量で分割していく)の意味が分からない
こんなところに原因があることがわかりました。
さて、次回はこの原因を踏まえて、どうやって教えていったかについてまとめます。
この記事が、知的障がいを持つお子さんに割り算を教えるヒントになれば幸いです。
一緒に頑張っていきましょう!